メディパス成功ストーリー

新規事業の立ち上げからEXITまでの成功ストーリー 歯科訪問診療のサポート メディパス

はじまりは、1枚のビジネスプラン

  • 三幣氏のビジネスプラン

    三幣氏のビジネスプラン

  • コンテストの最終プレゼンテーション

    コンテストの最終プレゼンテーション

2007年、エムアウトは一般の人から広くビジネスアイディアを募集する『MOPビジネスプランコンテスト2007』を開催しました。IT、食、教育、ファッション、不動産・・・様々な業界のビジネスアイディアの応募が約150件。その中の一つに、後のメディパスのビジネスコンセプトの原型となるアイディアがありました。応募したのは、埼玉県内の歯科医院に勤務する現役歯科医師の三幣利克氏。急速に進む高齢化社会の中で、通院困難な要介護高齢者に対する歯科訪問診療を通して、要介護高齢者やその家族の生活支援までを視野に入れたサービスを行うと共に要介護高齢者の生活に関わる様々なニーズを実現させるサービスを「しくみ」で「つなぐ」、というものでした。

要介護高齢者向けという社会性や将来性の高さなどが評価され、書類審査、2次審査、最終プレゼンテーションを突破し、見事、優秀賞(賞金50万円)を受賞。その後、三幣氏も外部アドバイザーとして参画する形で、エムアウトでこのアイディアをベースにした事業化プロジェクトが発足しました。

エムアウトの新規事業開発メンバーは、マーケットアウトを貫いたビジネスモデルを構築できるか、収益性、成長ストーリーをどう描くかなど、事業創造のプロとして頭をひねりました。一方で三幣氏は、歯科医療現場の情報、要介護高齢者の実情などを、専門家としての見地から適宜意見やアドバイスを行いました。そしてお互いの強みを融合させ、弱点を補完しあうことで、事業の立ち上げに向けて着々と準備は進められていきました。

歯科訪問診療のサポートを行う株式会社メディパスが設立

三幣氏のビジネスプラン

メディパスのビジネスモデル

テストマーケティングの期間を経て、エムアウトの経営会議で事業の本格参入が承認され、2008年9月、株式会社メディパス設立。ビジネスモデルは、訪問診療を行う医療機関の広報活動や事務業務のサポートを担い、医療機関から業務委託手数料を得るというもの。具体的には、高齢者施設に対する啓発活動や医療機関に対するリレーション構築を通して、高齢者施設と歯科医療機関をつなぐ受付窓口の役割を担い、要介護高齢者にとって最適な医療サービスが提供されるための各種周辺業務を行うものです。メディパスの会社設立より一足先に、コンパスデンタルクリニックを開業していた三幣氏と手を携えて、メディパスの取り組みに賛同して参加する歯科医療機関や高齢者施設は順調に増加。組織や規模が拡大していく中で、様々な困難に直面することもありましたが、業績は着実に積み上がり、2期目の期中に単月黒字を達成し、3期目では通期で黒字化を達成しました。

より迅速な業容拡大を目指し、新たな成長ステージへ

メディパスのコーディネーターが診療をサポート

メディパスのコーディネーターが
診療をサポート

2012年6月、エムアウトは、介護・福祉施設向け業務支援のパッケージソフトウェアの提供で全国トップクラスのシェアを誇る現・東証2部上場のエヌ・デーソフトウェア株式会社(本社:山形県)に、メディパスの全株式を譲渡しました。

順調に成長を遂げたメディパスを、もう一歩、さらにジャンプアップさせるためには、地方都市圏など営業エリアの拡大、提供サービスのIT化など、新たな課題にチャレンジしていく必要があります。そのためには、そろそろスタートアップファクトリーであるエムアウトを「卒業」することが、メディパスにとっても最適な選択という判断です。

今後、メディパスは、事業シナジーの活かせるエヌ・デーソフトウェア株式会社のグループの一員として、さらなる成長を目指し、新たなステージで積極的な事業展開を図っていきます。

メディパス年表

会社設立前
2007年5月

エムアウトが主催したビジネスプランコンテストで、 現役歯科医の三幣氏が応募した歯科訪問診療サービスのアイディアが優秀賞に輝く

エムアウトで同プランをベースにした事業化プロジェクトが発足

2007年11月歯科訪問診療のサポートを行う新規事業のテストマーケティングを開始
2008年7月エムアウトの経営会議で歯科訪問診療のサポート事業の本格参入が決定
1期(2008年9月〜2009年5月)
2008年9月エムアウト100%出資による株式会社メディパスが設立
東京・赤羽を拠点に事業開始
2009年1月神奈川・横浜を新たな拠点として追加し、サービス提供エリアを拡大
2期(2009年6月〜2010年5月)
2009年9月メディパス社長に近藤氏が就任(現任)
2009年11月東京・立川を新たな拠点として追加し、サービス提供エリアを拡大
2010年4月にメディパスが初めて単月黒字を達成!
3期(2010年6月〜2011年5月)
通期で黒字化を達成!
4期(2011年6月〜2012年5月)
2011年11月サービス提供エリアを千葉県の我孫子・柏に拡大
2012年1月サービス提供エリアを埼玉県に拡大
生活リハビリサポート事業(訪問マッサージ)を開始
2012年2月東京・三鷹を新たな拠点として追加
2012年5月現・東証2部上場のエヌ・デーソフトウェアへエムアウトが保有する メディパスの全株式を譲渡することで合意(株式譲渡の実行は2012年6月)

医療法人社団コンパス東京東理事長 三幣利克氏

メディパスのビジネスコンセプトの原型となるアイディアを応募したのは、当時、勤務医だった三幣氏。その後、コンパスデンタルクリニックの開業、メディパスの創業からともに手を携え支えあっています。現在は、120名以上の歯科医師・歯科衛生士が参加する医療法人コンパス東京東の代表として、要介護高齢者に対する最適な医療サービスを追求し続けています。

エムアウトのビジネスプランコンテストに応募したきっかけは?

ビジネスプランコンテストの授賞式

ビジネスプランコンテストの授賞式

埼玉県内の歯科医院に勤務しながら、在宅療養中で通院困難な高齢者の在宅医療にも携わっていました。低栄養やそれに関わる摂食・嚥下障害は、高齢者にとって切実な問題なのですが、歯科医院に通院できない要介護高齢者は多く存在しています。一方で、多くの歯科療機関は外来診療が中心で、要介護高齢者がいる在宅医療の場に訪問することにハードルを感じており、また医療現場ではなく、生活の場における医療提供ということに不慣れな歯科医療機関も多く存在しているのです。そのような状況のなか、通院困難な在宅療養者の視点に立ち、歯科医療機関を構築する必要性を強く感じていましたし、訪問診療に対するハードルや壁といった「不便」を誰かが引き取ることで、在宅医療を担う歯科医療機関も増えて、高齢者の窒息事故や誤嚥性肺炎を減らすことができると考えたのです。

また、当時、個人的な状況としても、社会人向けの大学院に通い、将来の開業独立に向けて経営の勉強をしていました。大学入学以来、医療サービスの提供側の学びを続けていました。勤務医として在宅医療に触れるなかで、医療サービス提供側だけでは越えられない壁を感じ、医療サービス受給側の学びを求めて大学院に入学しました。そして、医療サービスの供給側、受給側の両輪の学びから得たビジネスプランが経営のプロの目からどのように評価されるか、腕試しをしてみたかったという思いもありました。

思い出(?)のホテルメトロポリタン池袋

思い出(?)の
ホテルメトロポリタン池袋

エムアウトで発足した新規事業プロジェクトには、どのような形で参画していたのでしょうか?

しばらくは勤務医を続けていたので、エムアウトのプロジェクトメンバーとの打ち合わせは夜に行っていました。週に1回、夜の20時から23時までみっちり3時間、池袋のシティホテルのラウンジで定例ミーティングです。半年近く続けたでしょうか。ラウンジのメニューはすべて制覇しました。
エムアウトが掲げる顧客視点のマーケットアウトという考え方、患者さん一人一人をどうするのかという医療視点、歯科医師や歯科衛生士といった専門職の力を最大限発揮できる「場」をどう整えるか。そして超高齢社会や医療費問題等に貢献し続けるための持続可能な経営的視点、そしてこれらを融合させるためにはどうすればいいのか、そのためには何が必要なのか、本当に突き詰めて議論をしました。

2007年末にコンパスデンタルクリニックを立ち上げ、現在は理事長として120名以上の歯科医師や衛生士を統括されています。振り返ってみていかがですか?

診療中の三幣氏とメディパスのコーディネーター

診療中の三幣氏と
メディパスのコーディネーター

より多くの歯科医師や歯科衛生士は在宅医療の現場で力を発揮して活躍できるためには、どうすれば良いのかを常に考えています。これまで多くの専門職との関わりのなかで感じることは、職人的思考のもと自己完結を目指す歯科医師や歯科衛生士が多く存在しているなか、上手に自己否定ができる人ほど、在宅医療の場で貢献し成果を上げる活躍をされています。

組織として世の中に貢献して成果を出すためには、専門職の上手な自己否定を促すための、緩やかな仕掛けも大切だと思っています。もちろん、今でも、自分自身もいろいろと迷うこともありますが、その時はエムアウトの理念であるマーケットアウトが自分に“気づき”を与えてくれています。後々振り返ると、迷っている時は大抵、ひとりよがりになっていてマーケットから目をそむけてしまっている場合が多いような気がしています。マーケットアウトという考えは、進むべき道を迷った時の道しるべになっていると感じています。